英語にも日本語においても、
相手に言いにくいことというのはよくあるもの。
「この頃成績が良くないね、どうしたの?」
「あなたの苦手な得意先から、
またクレームが着ているんだけど、どうします?」
嫌なことというのは、実によくある。
なるべくなら、そういうことには触れないで
済ませたいのが人情である。
そういう時のために、便利な英語の表現方法がある。
I wish ~
便利というと少し抵抗を感じる人もいるかと思うが、
現実の会話の中では「言いにくいことを言う技術」
というものも必要なのである。
英語には、そうした表現がいくつかある。
そのうちのひとつが、この I wish である。
wish は一般的には願望を表すということになっている。
そのためにふつう、hope などといっしょのグループで習う。
その結果、hope と wish の違いが
はっきりしないということが起こる。
I hope you will succeed.
と言えば、「ご成功を期待しています」である。
hope は願望というよりも、
期待や希望を表現するといっていいだろう。
一方、wish はほとんどありえないこと、
叶いそうもない願望を表現するときにも使う。
I wish I were a millionaire.
「お金持ちだったらよかったんだけど」
I wish he was alive now.
「彼が生きていてくれたらなぁ」
などと、実際とは違うことについて願望を表すときに使う。
さらに、
I wish you the best of luck.
「うまくいくことをお祈りします」
というものがある。
これは、well wishing といわれるもので、
病気で入院している人に、
We wish you recover soon.
「早くよくなってください」
などと使う。
しかし、この同じ wish を使って、
似たような言い方でありながら、
だいぶ実際の意味が変わってくる例もある。
I wish I could be more helpful.
「もっとお役に立てればよかったのですが」
これは場面によって様々に使える表現である。
文字通り、なにかで困ってる相手に対して、
「もっと役に立つつもりだったのに、それができなくて残念だ」
という場合もある。
でも実はなにかの理由で、
理不尽な助けを求めてきた相手に対して、
やんわりと断る場合にも使える。
この場合、I wish の本当の意味は
「もう助けるつもりはありませんよ」
ということだと受け取った方がいいのである。
I wish は、もう変えられない、
あるいは変えるつもりのない現実を、
「もし変えられたらいいのですが・・・」という
複雑な意味を込めて表現するときにも使われるわけである。
I wish I could be there.
「(そこに)行けるといいんですけどね」
遠足かゴルフか草野球か何かのときに、
この人は参加できないということを伝えようとしている。
残念な気持ちを表しているのだが、
結果的には「行けません」ということを言っている。
単純に、I can't be there.というよりも、
申し訳ないという感じがこもると同時に、
「相手は来てほしいと強く望んでいるけれどいけない」
といった状況に適した言い方である。
カテゴリ:初級英会話