英語の命令形は”しなさい”という表現だけではない

Sponsored Link

日本人にとって英会話上達の障害のひとつは、
命令法」である。

 

ほとんど毎日、必ず使われるごく自然な英語表現を、
あえて文法的に分類すれば、
命令法になるケースはたくさんある。

 

Take it easy.「無理しないでね」

Have a nice day.「いい1日を」

Have a safe trip.「いい旅を」

Go ahead.「お先にどうぞ」

 

これらの表現は日常会話に、それこそしょっちゅう出てくる。

 

みんな善意の表現である。

 

「命令」どころか、相手に気を使って、
とてもやさしい気持ちを込めて使われる表現ばかりである。

 

しかしこれが日本人には難しい。

 

相手に命令するような気分が伴うので、
スムーズに口から出てこない。

 

目上に対しては、命令法でものを言うどころか、
敬語で話さなくてはいけない。

 

さらにいえば、
目上にはあまりモノを言っていけないのが日本である。

 

Pass me the salt.
「そこの塩をとってください」

などという簡単な命令法は、
食事をしていてもしょっちゅう必要になる。

 

しかし外国人といっしょの食事で、
テーブルの反対側にある塩とかコショウ、
あるいは醤油などをとってもらうのは、実は簡単ではない。

 

つい自分で手を伸ばしてしまう。

 

手が届かなければ、
我慢してそのまま食事を続けるなどということになる。

 

そんな経験はないだろうか。

 

日本人同士でもあまり、
「すみませんが、塩をとってくれませんか」
といった言い方はしない。

 

いわゆる遠慮の文化である。

 

問題はここにある。

 

遠慮というのは、
相手に余計な負担をかけないということだろうが、
本当に負担をかけないような結果で終わっているかどうか、
実は疑問なのである。

 

黙って立ち上がって、
塩の入れ物に手を伸ばしたまではいいとして、
その手前にあるガラスのお醤油さしに、
ジャケットの袖が触って倒してしまうなどというマナー違反は、
遠慮が裏目に出る典型である。

 

そもそも遠くにある何かを自分でとるために立ち上がったり、
中腰になって手を長く遠くまで伸ばすといった姿は、
その場の雰囲気をこわすことがある。

 

だが、英語で話しながら食事をしている時に、

Pass it to me.

などという表現は、なかなか使いにくいものである。

 

それは、命令法だという意識が原因ではないかと
私は推測している。

 

Pass it to me.を日本語で考えれば、
「それを私に回しなさい」あるいは、
「それをこっちによこしなさい」という感じになってしまう。

 

なぜかといえば、学校の英語授業のおいてそういう言い方は、
命令法だと習っているからである。

 

大事な接待をしている時に、命令なんかできるわけがない。

 

そんな失礼なことをしたら、すぐ次の日に、
その外国からのお客様は
荷物をまとめて帰ってしまうかもしれない。

 

命令法というのは、
英語では一般的にimperativeといわれる語法である。

 

確かにもともとは、”人に強制力を持って命じる”
というところから始まった文法用語ではあるのだが、
日本語の中で命令法といわれると、とてもではないが、
目上には使えないと思い込んでしまうことになる。

 

 

本来あまり命令的ではなく、
「聞いて!」というような意味合いで使われる言葉に

Listen!

という表現がある。

 

これは多くの場合、命令どころか、
とてもやさしい親切な気持ちのこもった言い方である。

 

ところがこれに相当するListen!が、
これは命令法だと学校で習った日本人には、
「聞きなさい!」という感じに響いてしまうのである。

 

相手のネイティブが年齢も上で、体も大きく、
しかも自分の会社のお客様として
日本に来ているなどという状況だとしたら、
とてもListen!などとは言えない。

 

こうしたことは男女の別なく起こるが、
日本人の女性の場合は、状況がいちばん複雑になる。

 

相手が男性で、年齢も上で、取引先などということになると、
とても「それを私に回しなさい」などということを意味する英語を、
相手に発することは不可能である。

 

かといってあまりマナーの良くない男性がやるように、
フォークを持ったまま立ち上がって、
自分でそれをとるなどということもできない。

まさに八方ふさがりである。

 

もう少しコショウを振れば美味しくなるステーキも、
薄味のまま口に入ることになる。

 

こういう悲劇は、とても頻繁に起こる。

 

私はこれを「命令法の悲劇」と呼ぶことにしている。

Sponsored Link

カテゴリ:初級英会話 

管理人

profile

英会話力向上を目的とした
英語学習を、人生のライフスタイルの
一貫として研究している。
自らも年に数回、
海外へ出かけることで、
英会話力を向上させている。
趣味は海外旅行、外国人との
国際コミュニケーションなど。


最近の投稿
Sponsored Link

カテゴリー

ページの先頭へ