「私、悪い食べて腹痛もちます」
いきなり変な見出しをお見せして申しわけない。(笑)
とても日本語とはいえないような代物である。
だが例えば、こういう日本語を、知り合いの外国人が
あなたに言っているのを想像してほしい。
「腹痛もちます」などという表現は、
日本人には思い浮かばない。
そのため、
「とてもなにを言いたいのかわからない」
と思うかもしれない。
しかし本当にそうだろうか?
こんなめちゃくちゃな日本語(らしきもの)でも、
日本人だったら、
「おそらくこの人はなにか食べて、
そのせいでお腹がどうかなったのだ」
と見当がつく。
日本語のネイティブとして、
私たちは瞬間的に相手の言ったことを推測し、
必要ならば自分の頭の中で、欠けているものを補う習性がある。
上の例でいえば、
私(は)悪い(ものを)食べて、腹痛もちます(になりました)。
といった具合に修正する。
その結果、相手が言ったことは、日本人の頭の中では、
私は悪いものを食べて、腹痛になりました。
と整理されることになる。
日本人なら毎日やっていることなので、
さして難しいことではないはずである。
別に外国人相手ではなくとも、
相手の言っていることを
自分なりに整理して受け止めるというのは、
いつでもやっていることである。
英語の知識がかなりある人なら、
おそらく相手の頭の中に英語の
I have stomachache.
があるから、こういう日本語になったのだろうと見当がつく。
では英語の場合、これと同じようなことは、
どんな具合に起こるのだろうか。
なにか悪いものを食べて気持ちが悪くなったとき、
I feel sick.I think it's the food.
こんな言い方がすっと出れば、あまり問題はない。
もっとストレートに、
I am sick from the food.
という言い方も自然な英語だといえる。
こういう表現を覚えることは、もちろん役に立つ。
だが、少しくらい間違っても、ネイティブはわかってくれる。
例えば、
I have sick from the food.
でも、あまり問題はない。
もちろん正しい英語ではないが、相手のネイティブは、
あなたが、
I have sickness from the food.
と言いたいところを、
sick(という形容詞)を間違えて使ったのだろうと推測して、
直して受け止めるからである。
あるいは、
I have sick from the food.
のhaveは、amの間違いで、本当は、
I am sick from the food.
と言いたかったに違いないと、
瞬時に頭の中で訂正してくれるからである。
私、悪い食べて、腹痛もちます。
が、私たち日本語ネイティブの頭の中では、
「私は悪いものを食べて、腹痛になりました」
と整理されて意味をなすのと同じなのである。
カテゴリ:初級英会話